Y-HeaTウエルドレス成形

プラスチックの成形品には、傷跡のような線がついていることがよくあります。この傷跡の正体は、ウエルドラインと呼ばれるプラスチック射出成形品にはつきものの現象です。

ウエルドラインは、金型の中に溶けたプラスチックを流して成形する際に、その流れが合流する部分に現れる線状跡です。これは、射出成形品の宿命と言えるものですが、製品として市場に出ると傷と思う消費者も多い様で、アメリカでは集団訴訟になった例もあります。

Y-HeaTは、このウエルドラインを消滅させプラスチック成形品の外観品質を向上させるために開発された技術です。

通常の射出成形品

Y-HeaTウエルドレス成形品

プラスチック成形品は、割れにくい特徴からガラスの代替として使われることが多く、高い質感を求められます。

Y-HeaTは、透明な成形品に発生する邪魔なウエルドラインを消滅、ピカピカに磨かれた金型表面を忠実に転写させ、艶々でクリスタル感のある外観を演出します。

プラスチックが、高級感を必要とする製品の外観に使われる場合、ウエルドラインを覆い隠すために化粧塗装を施します。
しかし、これには製品コストが上がる、自然環境に優しくないなどのデメリットがあります。

Y-HeaTで作られるプラスチック成形品は、傷やひび割れが存在しません。素肌で勝負してください。

射出成形で作られたプラスチック部品は、その形状や成形条件で反り曲がってしまうことがあります。
この場合、ソリ直しとして成形後に熱処理するなど手間のかかる後行程が必要になります。
Y-HeaTは、金型内でソリ量を調整する画期的な金型温調技術です。これにより成形品質を安定させ、想定外の損失も削減します。

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射出成形品は、使用する環境や力のかかり方によってウエルドラインをきっかけに割れてしまうことがあります。
割れるか割れないかは、ウエルドラインの幅や深さにも影響されるため、成形品のウエルドレス化は設計値を満足するのに有効な手段です。

また、プラスチック成形品の中には素材が持っている本来の力が発揮されていないものがあります。特に結晶性樹脂は、結晶化度が重要であり金型温度と冷却時間が大きく関係します。

Y-HeaTのフルタイム金型温度制御は、樹脂の結晶化を促進させることが可能であり、プラスチックの持つ本来の性能を引き出します。

プラスチック成形品に発生する残留応力は、透明成形品の光学特性を歪めたり、成形品を破壊したりする厄介な問題です。

Y-HeaTは、保圧・冷却工程中に高温域から低温域へ徐冷するフルタイム温度制御が出来るため、金型内で樹脂の歪みを低減させることが可能です。これにより光学レンズや透明パネルなどの光学特性やクラックやクレーズなどの破壊に対する改善が期待できます。

射出成形の常識を変える次世代金型温調技術Y-HeaT